動画研究所

2012年8月26日日曜日

The Visual Method はじめに


The Visual Method 映像制作の方法
□はじめに
20世紀は映像の世紀と呼ばれたが、21世紀はインターネットの世紀になるだろうと予言する人がいる。確かにインターネットの普及や高速化は想像を超える速さで進んでいるしコンテンツの多様化や利便性の向上によって人々は新しい強力なツールを手にしたことは間違いない。  
特に株式取引や銀行業務、通信販売などEコマースの分野はインターネットの双方向性、同時性が最も効果的に表れたものであり今や社会に欠かせない存在といえる。とはいえ21世紀も始まったばかり、これからまだまだ21世紀を代表するメディアが登場する可能性もある。しかし、映像が時代の象徴ではないものの、コミュニケーションメディアの大きな役割を担い続けることは間違いない。
20世紀後半から映像文化の中心となったテレビ放送も、一方的に電波を垂れ流しているメディアから双方向のメディアへと変貌を遂げようとしている。BSデジタル放送から始まったデジタル化は地上デジタル、ワンセグ放送へと拡大し今やテレビ放送も十分双方メディアである。
 映画は映画館、テレビはテレビジョン、インターネットはパソコンやモバイル。これはコンテンツ(中身)とメディア(媒体)が同一の場合の組み合わせだが、この組み合わせはもはや意味がない。映画はテレビでもインターネットでも観られるし、テレビ番組が映画にもなるしインターネットとコラボレーションもする。もちろんテレビジョンでインターネットを利用することもできるのだ。

*******
「映像とは人間の本能と文化の衝突である」。このフレーズの後は「だから、映像制作者は人間について多くを学ばなければならない」と続く。
あなたは映画館やテレビで多くの映画やドラマ、報道やバラエティー、音楽やスポーツを観ていることだろう。だから映像を観るプロかもしれない。ただし観るプロがそのまま創るプロになれるわけではない。
コントローラーに振動やショックが伝わるテレビゲームのコントローラーや電気信号を受信して臭いを発生する装置が既に存在しているから、近い将来触覚や嗅覚、味覚まで利用した映像作品というのが出現するかも知れない。デジタル放送のデータチャンネルを使えば、クイズに間違ったら電流がビリビリ流れるクッションくらいは今でも開発可能だろう。しかし、視覚・聴覚以外の要素を映像メディアに求める人がどれほど現れるかが「映像五感メディア時代」到来の可能性に関わるところだろう。ひとまず本書において映像とは「画像」+「音声」+αくらいの可能性にしておく。

本書は主に映像業界を志望する学生、映像業界でステップアップを目指すプロフェッショナル、プロフェッショナルを育成する指導者に向けて書こうと思う。映像業界にインターネット動画やネット中継が含まれるのは言うまでもない。もちろんカメラやパソコン編集などハイエンド機器を駆使してプロ並みの作品を制作しようとしているアマチュアの役にも立つことだろう。
実用に役立つものにしたいので、アカデミック(学研的)であるよりはむしろユーズフル(便利)なツールにしたい。とはいえ、『映像なんて感性さ』という一言で片付けない理論的な姿勢も持ち続けたい。
本書がいつ完成するか今の段階で明言できないが、私の映像人生の集大成にしたいと考えている。ネットで公開していくので、ご意見ご要望を受けながら進めていきたい。
おつきあいください。

0 件のコメント:

コメントを投稿